
臨床の疑問
月経痛の訴えって、整形の現場でも普通に出てくると思う。
腰痛の評価してたら「生理前は特に痛くて…」みたいなやつ。
そのときに、
「それはホルモンの影響ですね」
で思考が止まってないか?
実際、それ以上踏み込まずに終わってるケース、少なくない気がする。

一般的な見解
教科書的には、月経痛はホルモン変動、特にプロスタグランジンによる子宮収縮や虚血が原因とされている。
これはもちろん間違ってないし、ベースとして理解しておく必要がある。
ただこの前提があることで、
「ホルモン=コントロールできないもの」
として扱われやすくなる。

臨床の限界と現状
臨床で見てると、同じような月経周期でも
• 痛みが強い人とそうでない人がいる
• 介入で軽減するケースがある
• 逆に、何をしても変わらないケースもある
ここを「個人差」で片付けてしまうと、それ以上進まない。
ホルモンがトリガーであるとしても、
その影響をどう受け取るかは身体の状態に依存している可能性がある
この視点が抜けると、評価も介入も広がらない。
切り口を変えて考える
月経痛を
「ホルモンの問題」か「それ以外か」
で分けるよりも、
ホルモンをきっかけに、どのシステムがどれだけ影響を受けているか
で見た方が整理しやすい。
自分は特に、
• 骨盤帯の可動性
• 股関節の可動性
• 脊柱の可動性
• 骨盤底筋の活動
このあたりから、
骨盤内の循環環境がどうなっているかを見るようにしている。
加えて、
• 睡眠
• ストレス
• 生活習慣
• 仕事量
ここから、
自律神経やホルモンバランスに影響している要因がないかも一応拾う。
つまり、
ホルモンが悪い、ではなくて
ホルモン変動に対して“痛みが増幅しやすい身体”になっていないか
という見方。

臨床判断プロセス
問診で月経痛が出てきた時点で、
• 可動性(骨盤・股関節・脊柱)
• 体幹機能(呼吸・骨盤底筋含む)
• 生活・ストレス
このあたりで一度仮説を分ける。
で、よくあるのが
「ホルモンじゃなさそう → 自律神経」
って流れ。
もちろんそれも一つだけど、
自律神経への介入で変わらない場合、身体機能の評価ができているか。
ここは結構抜けやすい。
実際には、
• 可動性の低下
• 体幹機能の低下
• 運動量の低下
こういう要素が積み重なって、
骨盤内の循環環境が悪くなっているケースもある。
その状態で月経を迎えれば、
同じホルモン変化でも痛みの出方は変わる。

若手セラピストへ
「ホルモンの影響だから仕方ない」
そう思った時点で、評価も介入も止まる。
もちろん限界はあるし、全部を変えられるわけではない。
でも、
• 少しでも楽になる姿勢
• 痛みが軽くなる動き
• 日常でできる対処
こういうのを一つでも共有できると、患者の反応は全然違う。
月経痛を“対象外”にするか、
“関われる領域があるもの”として捉えるかで、
セラピストとしての関わり方は変わってくると思う。
月経痛はホルモンで説明できる部分も大きい。
ただ、それだけで全部説明しきれるのかというと、少し違和感が残る。
どこまでがホルモンで、どこからが身体なのか。
その境界をどう見るかで、臨床の幅は変わってくる気がする。









