
整形外科PTが見落としやすい月経前の神経変化
外来でよくある。
「最近なんか痛み強くて…でも月経前だからですかね」
本人もなんとなく分かっているし、
こちらも「そうかもね」で終わる。
でも実際、その“なんとなく”のまま流してしまっているケースは多くないだろうか。
沖縄の現場では、
・生活リズムのズレ
・暑さによるコンディション低下
などもあり、もともと身体の状態が揺らぎやすい人も多い。
その中で、月経前の不調を
「仕方ない」で片付けていいのかは、一度立ち止まって考えたい。

一般的な見解
PMSはホルモンの影響。
これは共通認識でいいと思う。
・エストロゲンの低下
・プロゲステロンの変動
その結果
・イライラ
・不安
・痛みの増悪
が起きる。
これは間違っていないし、ベースとして重要な理解である。
臨床的な限界
ただ、この説明だけだと臨床では止まる。
「ホルモンだから仕方ない」で終わると
・評価が浅くなる
・介入の選択肢が減る
実際には
・日によって痛みの感じ方が違う
・リラックスできていない
・いつもより過敏
といった変化が起きている。
👉 結果は見えているのに、プロセスが抜けている状態。
例えば
・軽く触れただけなのに痛みが強い
・同じ運動でも「今日は無理」となる
・リラックスさせても身体が抜けない
こういうとき、
筋や関節だけで説明しようとすると違和感が残る。

さらに考えると
ここをどう捉えるか。
PMSはホルモンの問題ではあるが、
臨床で起きているのはもう少し神経寄りの現象だと考えている。
ホルモン変動によって
👉 中枢の抑制機構が崩れ、神経の調整がうまくいかない状態
具体的には
・プロゲステロン変動 → GABA系の不安定化
・エストロゲン低下 → セロトニン低下
・視床下部の制御不安定
その結果
・交感神経優位
・副交感神経が入りにくい
・切り替えができない
👉 “ONのままOFFにできない状態”
さらに
・下降性疼痛抑制の低下
・中枢興奮性の上昇
👉 同じ刺激でも痛みが強く出る
つまり
「症状が増えている」のではなく、
👉 “感じ方のシステムが変わっている”
臨床での判断プロセス
見ているポイントはシンプルで
● 周期的な変化
・月経前に悪化していないか
・終わると軽減しないか
● 痛みの質
・いつもと違う
・日によって変わる
・範囲が曖昧
● 神経系のサイン
・リラックスできない
・触刺激に過敏
・反応が安定しない
● 悪化要因
・睡眠
・ストレス
・生活リズム
・カフェイン
👉 これらが重なると崩れやすい
整形外科セラピストへの示唆
月経前だから仕方ない、で終わらせるのは簡単。
でも、
・なぜそのタイミングで起きているのか
・何がその状態を強めているのか
そこまで見れると、介入は変わる。
呼吸、リズム、運動、関わり方。
整える余地は意外とある。
もちろんホルモン自体は変えられない。
でも、
👉 “どう現れているか”は変えられる可能性がある

最後に
月経前の不調を
「仕方ない」で終わらせるのか
「変化しうる状態」として捉えるのか
その視点の違いが、
評価も介入も少し変えるのかもしれない。









