セラピストが学び続けるために必要なこと ―継続する技術から考えるスキル研鑽の習慣化―

「今年こそランニングを続けよう」
「筋トレを習慣にしよう」
「毎日勉強しよう」

そう思って始めたものの、気づけば続かなくなっていた。

そんな経験がある人は多いと思います。

戸田大介氏の著書『継続する技術』では、ランニングを始めた人の多くが短期間で挫折してしまうというデータが紹介されています。

ランニングの継続率を見ると、始めた人のうち30日以内に挫折した人は93.9%。
さらに、わずか1日で辞めてしまう人も約半数いると言われています。

1週間経つと約8割。
2週間経つと約9割。
多くの人が継続できなくなる。

これはランニングだけの話ではありません。

筋トレも、勉強も、読書も、臨床の学びも同じです。

習慣化することは、それくらい難しい。

そしてこれは、セラピストのスキル研鑽にもそのまま当てはまると思っています。

 

なぜ大人になると継続できなくなるのか

学生時代、部活や受験勉強に一生懸命取り組めていた人は多いと思います。

では、なぜ大人になると継続が難しくなるのでしょうか。

もちろん、

「バスケが上手くなりたい」
「志望校に合格したい」

という前向きな気持ちもあったと思います。

でも実際には、

サボると顧問に怒られる。
チームメイトに変な目で見られる。
周りが頑張っているから自分もやる。

 

そうした“集団の強制力”があったことも大きいはずです。

子どもの頃は、続けざるを得ない環境がありました。

でも大人になると、サボっても誰も怒りません。

本を読まなくても怒られない。
勉強会に行かなくても怒られない。
臨床について深く考えなくても、最低限の仕事は進んでいく。

これが、大人になってから学びを継続しにくくなる大きな理由の一つだと思います。

学生の頃は、

「いいセラピストになりたい」

と思っていたはずなのに、気づけばスキルを磨くことが続かなくなる。

それは意志が弱いからではなく、継続するための環境がなくなっているからかもしれません。

 

 

 

スキル研鑽には“強制力”が必要

セラピストとして成長していくためには、学び続けることが必要です。

ただし、学び続けるためには気合いだけでは足りません。

必要なのは、ある程度の強制力です。

 

一緒に学ぶ仲間がいる。
臨床の相談ができる人がいる。
定期的にアウトプットする場がある。
参加する勉強会が決まっている。

 

こうした環境があるだけで、継続のしやすさは変わります。

人は一人だとサボります。

これは悪いことではなく、人間として自然なことです。

だからこそ、続けたいものほど環境に頼った方がいい。

セラピストのスキル研鑽も同じです。

「もっと勉強しなきゃ」と一人で思うだけでは続きません。

一緒に学ぶ仲間。
相談できる先輩。
症例について話せる場。
定期的に参加できる勉強会。

そうした環境に身を置くことで、学びは継続しやすくなります。

 

ハードルを上げすぎない

学びを継続できない理由の一つに、最初からハードルを上げすぎることがあります。

「講習会に参加しよう」
「専門書を1冊読もう」
「毎日1時間勉強しよう」

もちろん、できれば素晴らしいことです。

 

でも、今まで学習習慣がなかった人にとっては、かなり大きなハードルです。

高すぎるハードルは、継続を妨げます。

大事なのは、まず始められるサイズまで小さくすること。

 

例えば、

  • 同期に臨床の相談をする
  • 気になった症例をメモする
  • 5分だけ文献を読む
  • 月に1回だけ勉強会に参加する
  • 先輩に一つ質問してみる

これくらいでも十分です。

 

最初から大きな行動をしようとしなくていい。

まずは身近な一歩からでいい。

小さく始めて、続けられる形にすること。

これが継続の第一歩です。

成功体験が継続を支える

継続には成功体験も大切です。

一度でも、

「やってよかった」
「少し変化が出た」
「前より分かるようになった」

という感覚があると、人は続けやすくなります。

 

セラピストの臨床でも同じです。

  • アプローチによって痛みが軽減した
  • 歩行が安定した
  • 離床が進んだ
  • 目標としていた動作ができるようになった
  • 患者さんの表情が変わった

こうした小さな成功体験が、次の学びにつながります。

 

逆に、何を学んでも臨床につながらない。
変化を感じられない。
相談できる人もいない。

そうなると、学びは続きにくくなります。

 

だからこそ、学びの場には“成功体験につながる設計”が必要です。

難しい理論を知るだけではなく、明日から少し使える。
症例の見方が少し変わる。
患者さんへの説明が少し変わる。
臨床で一つ試してみたくなる。

そういう小さな変化が、学びを続ける力になります。

セラピストの学びは、沖縄県民に返っていく

私は、沖縄のセラピストがスキルアップすることは、最終的に沖縄県民に還元されると信じています。

 

セラピストが学ぶ。
臨床の見方が変わる。
患者さんへの関わりが変わる。
地域のリハビリやケアの質が上がる。

 

この循環が生まれることが、沖縄の医療・介護・自費領域にとって大切だと思っています。

ただ、そのためには一人で頑張るだけでは足りません。

学び続けられる環境が必要です。

相談できる場。
仲間と学べる場。
実技を試せる場。
自分の臨床を見直せる場。

オキセラは、そうした学びの場を作っていきたいと考えています。

月1回の実践勉強会。
2ヶ月に1回程度の講習会。
気軽に臨床相談ができるつながり。

 

 

 

大きな一歩ではなくてもいい。

まずは、続けられる小さな一歩を一緒に作ること。

そこから、セラピストとしての学びは続いていくのだと思います。

 

最後に

学び続けられないのは、意志が弱いからではありません。

継続には技術があります。

 

そして、その技術の中でも大切なのは、

  • 強制力のある環境を作ること
  • ハードルを上げすぎないこと
  • 小さな成功体験を積むこと

この3つだと思います。

 

セラピストとして成長したい。
もっと患者さんを良くしたい。
臨床の見方を広げたい。

 

そう思っているなら、一人で頑張りすぎなくていい。

続けられる環境に身を置くこと。

それも、セラピストとして成長するための大事な戦略なのだと思います。

おすすめの記事